この記事を読んでいるあなたは、
- フィボナッチエクスパンションってそもそも何?
- フィボナッチエクスパンションの使い方は?
- フィボナッチエクスパンションの注意点は?
このように考えているかも知れません。
この記事では「フィボナッチエクスパンションの概要や使い方、注意点」などについて紹介します。
なお、日本人トレーダーに人気の海外FX業者については、海外FX業者おすすめランキングにて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
フィボナッチエクスパンションとは
フィボナッチエクスパンションとは、フィボナッチ数列を用いてトレンド相場の拡大幅を予測するのに役立つテクニカル分析ツールです。
上昇または下降トレンドの反発が起こった後に、再度トレンドに沿って伸びるかを予想できるため、利益確定や損切りの判断材料になります。
黄金比と呼ばれるフィボナッチ数列を使ったテクニカル指標には、フィボナッチエクスパンションのほかに、フィボナッチリトレースメントもあります。
フィボナッチリトレースメントとの違い・共通点
2つの分析ツールは、自然界に広く見られる黄金比率のフィボナッチ数列を用いているのが特徴です。
フィボナッチリトレースメントは、市場のトレンドが反転する可能性を探すための分析ツールです。
そのため、トレンドに沿ったポジションで新規注文するタイミングを探すのに適しています。
一方でフィボナッチエクスパンションは、相場の伸び幅を予測するツールであり、トレンドに沿って注文したポジションをいつまで保有するかを判断するのに向いています。
フィボナッチリトレースメントで取引を始めて、フィボナッチエクスパンションで利益確定する戦略が効果的です。
フィボナッチエクスパンションの特徴
フィボナッチエクスパンションは、市場が反発した後に再びトレンド方向に伸びるかを測る分析ツールです。
トレンドの開始から終了点、反発した地点を結んでできたフィボナッチエクスパンションの複数のラインから、トレンドが再び伸びていくのかを予測できます。
特に38〜100%のラインで価格が止まると再び反発する可能性が高いため、多くのトレーダーは利益確定や損切りのタイミングを決定する重要な指標としています。
トレンドへの新規注文よりも、既存のポジションを決済するタイミングを見極めるのに向いているツールだと言えるでしょう。
フィボナッチエクスパンションが効果的な相場環境
フィボナッチエクスパンションが効果的な相場環境は、以下の通りです。
- トレンドがはっきりしている時
- トレンド中の反転が発生した時
それぞれ見ていきましょう。
トレンドがはっきりしている時
フィボナッチエクスパンションは、チャート上に出現したトレンド相場の持続性を測定するのに有効なツールです。
トレンド系のテクニカル分析ツールなため、はっきりと上昇または下降トレンドが現れた際に真価を発揮し、将来的に価格が反転する可能性を予想するのに役立ちます。
一方で、トレンドの力が弱い場合はうまく機能せず、予測を立てても思う方向にトレンドが動かない可能性も多いです。
そのため、レンジ相場の際は使用を控えた方が良いでしょう。
トレンド中の反転が発生した時
フィボナッチエクスパンションは、トレンドが出現した際に設定しますが、トレンド内で起こる反転にも注目しましょう。
トレンドを特定するだけでは不十分で、分析ツールを機能させるには反転時の価格とトレンドの開始点、および終了点の価格の3点を結ぶ必要があります。
トレンドを見つけたら、反発した価格にも注目するのをおすすめします。
フィボナッチエクスパンションの使い方
フィボナッチエクスパンションを使うには、以下の手順で進めていきます。
- 1.上下動のトレンドを見つける
- 2.フィボナッチエクスパンションを引く
- 3.どのラインで反発するか決める
順番に解説していきます。
1.上下動のトレンドを見つける
フィボナッチエクスパンションを機能させるためには、トレンドの始まりと終わり、トレンドから反発したポイントの3点を結ぶ必要があります。
上昇または下降トレンドを探し、トレンド中に反発しきったポイントを見つけます。
なお、トレンドの高値と安値・押し目や戻りの反発した点は、中途半端な価格に設定するとうまく機能しないため、しっかりと見極めていきましょう。
2.フィボナッチエクスパンションを引く
トレンドの高値と安値、反発ポイントを見つけたら、3点を結びフィボナッチエクスパンションを適用します。
利用するプラットフォームによっては「フィボナッチエクステンション」など、インジケーターの名前が異なる場合があるため注意が必要です。
インジケーターを選択したら、上昇トレンドの場合は安値、高値、反発点の順番でクリックしましょう。
なお、下降トレンドの場合は高値、安値、反発点の順でクリックします。
設定が完了すると、フィボナッチエクスパンションのラインが表示されます。
3.どのラインで反発するか決める
表示されたラインのうち、38%、50%、61%、100%がトレードする上では特に意識されるラインです。
中でも61%のラインは、直前の高値または安値と重なりやすく、ラインを超えたらトレンドが継続し、反発すればトレンドの勢いが弱まっていると判断できます。
上記の分析から、ロング注文を入れるか決済するかを見極められます。
ただし、必ずしも61%のラインで反応するわけではないため、1つの指標にこだわりすぎず、それぞれのラインで分析して次の動きを想定しておくのが大切です。
MT4・MT5のフィボナッチエクスパンションの引き方
取引プラットフォームのMT4・MT5でのフィボナッチエクスパンションの引き方を解説します。
- 1.フィボナッチエクスパンションを作成する
- 2.始点から高値までを結ぶ
- 3.押し目を合わせる
順番に見ていきましょう。
1.フィボナッチエクスパンションを作成する
MT4かMT5では、メニュー画面から簡単にフィボナッチエクスパンションの設定ができます。
画面の上部にあるメニューから、「挿入」→「フィボナッチ」→「エキスパンション」を選択します。
なお、カスタマイズしておけば、常にフィボナッチエクスパンションを表示できるため便利です。
2.始点から高値までを結ぶ
フィボナッチエクスパンションを選択できたら、トレンドの起点となる安値をクリックします。
クリックしたら、そのままドラッグして高値までマウスを移動させましょう。
高値のポイントに合わせると、フィボナッチエクスパンションが表示されます。
3.押し目を合わせる
フィボナッチエクスパンションを正しく機能させるために、押し目を調整していきます。
なお、下降トレンドの場合は高値から安値、戻り目の順番で設定しましょう。
表示されたフィボナッチエクスパンションをダブルリックすると、3点目のポイントが出てくるため、ドラッグして押し目のポイントまで移動させます。
フィボナッチエクスパンションの表示が変更されたのを確認したら、設定完了です。
MT4・MT5のフィボナッチエクスパンションの数値設定
MT4やMT5のフィボナッチエクスパンションでおすすめの数値設定は、以下の通りです。
- 61.8%
- 100%
- 161.8%
この比率は黄金比率と言われており、世界中のトレーダーが決済タイミングとして意識している数値です。
MT4ではこの数値が初期設定となっているため、そのまま使い始められます。
なお、細かく設定したい場合は、フィボナッチエクスパンションのプロパティ画面から設定可能です。
フィボナッチエクスパンションで反転ゾーンを導く方法
フィボナッチエクスパンションで反転ゾーンを予測できると、効率が良く取引が可能になります。
フィボナッチ数列をもとにいくつかの価格パターンを識別し、反転ゾーンを高い確率で予測できる手法は「ハーモニックパターン手法」と呼ばれ、人気の手法の1つです。
3つのチャートの波のパワーをフィボナッチ数列で分析し、より強力な反転ゾーンを高確率で導き出せます。
ハーモニックパターンの代表的なパターンは、「バタフライ」と呼ばれる形です。
フィボナッチエキスパンションで導き出したハーモニックパターンは高確率で反転するため、利益確定や損切りだけでなく、逆張りでのエントリーも可能です。
ただし、100%的中するわけではないため、他のテクニカル指標なども参考に分析してからエントリーするようにしましょう。
フィボナッチエクスパンションの注意点
フィボナッチエクスパンションの注意点は、以下の通りです。
- 一度に全ポジションを決済してしまうと、利益を出す機会を逃す可能性がある
- 利益確定は複数の判断指標を参考にすると安全
- トレンドが発生していない時には使いにくい
- 複数の時間軸も確認しておく
順番に見ていきましょう。
一度に全ポジションを決済してしまうと、利益を出す機会を逃す可能性がある
フィボナッチエクスパンションは、反転するポイントを見つけるのに有効な手段ですが、1度にすべてのポジションを決済してしまうと利益を取りこぼす恐れがあるため注意が必要です。
例えば、61.8%のラインで相場が止まる、または反転するような動きがあった際に焦って全決済してしまうと、上昇トレンドが継続した場合に得られたはずの利益の機会損失を招くケースがあります。
できるだけ大きく利益を出すには、利益確定はなるべく分けて行うのが賢い方法です。
利益確定は複数の判断指標を参考にすると安全
フィボナッチエクスパンションで得られる分析結果は100%当たるわけではないため、あくまで目安として考える必要があります。
1つの分析ツールに頼りすぎてしまうと、判断を誤ってしまう可能性があるためです。
チャートは世界情勢や各国の経済指標、ファンダメンタルズなどの影響を大きく受けるため、テクニカル分析の結果と全く異なる動きをする場合もあります。
より分析の精度を高めたい場合は、トレンドの強さがわかりやすい移動平均線など、他のテクニカル分析ツールも組み合わせながら判断していくのがおすすめです。
トレンドが発生していない時には使いにくい
トレンドが発生していない状態でフィボナッチエクスパンションを使用するのは、おすすめしません。
レンジ相場では価格が上昇と下落を頻繁に繰り返し、フィボナッチエクスパンションがほぼ機能しないためです。
また、レンジ相場自体も値動きを予想しづらいため、初心者には難しいです。
反対に上昇または下降トレンドか明確であれば、押し目買いや戻り売りでの新規注文や利益確定・損切りの判断がしやすくなります。
慣れるまでは、トレンド相場に絞って取引するのが良いでしょう。
複数の時間軸も確認しておく
FX取引では複数の時間軸のチャートを見ながら、トレンドや相場の状況を正しく把握していくのが大切です。
トレンドは基本的に長い期間を示すチャートの影響が最も強く、短期の時間軸だけでトレンドを判断すると、長期で見ると反対の動きをしている場合もあります。
フィボナッチエクスパンションはチャートの動向が重要な分析材料となるため、必ず複数の時間軸でトレンドが揃っているのかを確認しましょう。
フィボナッチエクスパンションの使い方や注意点まとめ
この記事では、「フィボナッチエクスパンションの概要や使い方、注意点」について詳しく説明してきました。
フィボナッチエクスパンションをうまく活用すれば、トレンド中の反発からどこまでトレンドが続くのかを予測しやすくなります。
そのため、新規のエントリーよりも、トレンド中にポジションを持っている際の利益確定や損切りのタイミングの見極めに使いやすい指標になっています。
ただし、フィボナッチエクスパンションの分析結果だけを参考に取引してしまうと、利益確定のタイミングを間違えて、機会損失を招く可能性があるため注意しましょう。
なお、日本人トレーダーに人気の海外FX業者については、海外FX業者おすすめランキングにて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。